認可保育園と認可外保育園の違いってなに？知っておきたい予備知識

保育園には、大きく分けて認可保育園と認可外保育園の２種類があります。「保育園」と一括りにされがちですが、それぞれで保育を行う環境や保育士の働き方が異なります。ここでは、保育士をめざす方が知っておきたい、認可保育園と認可外保育園の違いについて解説します。

認可保育園と認可外保育園の違いとは？

２つの保育園を比較したときに最もわかりやすい違いは、厚生労働省が定める設置基準を満たしているかどうかです。

認可保育園

認可保育園は、厚生労働省が定める保育所の設置基準を満たしている施設です。この基準には、施設の広さや職員の人数、入所対象の子どもの年齢、給食設備の有無などがあります。

国と都道府県が認可する保育園ですので、国から補助金が出る場合があり、保育料は各自治体に支払われます。子どもの入園を希望する場合は国が審査を行うため、ニュースで話題になった「保育園に落ちた」が起こる保育園です。

認可保育園のメリット

前述したように、国から認可を受けると補助金が出るため、保育園の運営が安定化します。また、自治体が保育料を定めるため、比較的安い保育園が多く、入園を希望する保護者も多いです。

設置基準を満たしていることから、最低限の保育の質は担保されているというところも保護者にとってメリットを感じやすいといえます。

認可外保育園

認可外保育園は、厚生労働省が定める保育所の設置基準を満たしていない施設です。認可されていないからと言って違法なわけではなく、あくまで国が定める基準外というだけです。

例えば、基準の広さに満たない小規模保育園や認可保育園よりも長い時間保育を行う保育園などは、認可外保育園に含まれます。認可外保育園の場合、保育料は保護者が園に直接支払います。

認可外保育園のメリット

認可外保育園は、保育園によって施設や遊具、広さなども様々です。保育方針も保育園によって自由に設定されているので、認可保育園と比較すると幅広い教育やレクリエーション、習い事などを取り入れているところも多いです。また、保育時間を長く設定しているところもあるため、保護者の幅広いニーズに対応することができます。

認可保育園の審査で第一希望の保育園に落ちてしまった保護者が、通いにくい認可保育園に行くくらいなら、近くの認可外保育園に入園を希望するというケースもあります。

保育士目線で見る認可保育園と認可外保育園の違い

保育士が職場となる保育園を決める時に、その保育園が認可なのか認可外なのかは把握しておきましょう。その理由は、働き方に大きく関わってくるからです。

仕事内容の違い

認可外保育園では、一般的な保育士とは少し違った仕事をする場合があります。英語、リトミック、ダンスなどのプログラムを取り入れている認可外保育園では、幅広い仕事を経験することができますし、保育士が自分の得意分野を発揮することもできます。

認可外保育園で働く場合は、保育園のカリキュラムなども確認して、自分の働き方をイメージしておきましょう。

保育方針の違い

認可外保育園では、保育士の働き方に影響を与える保育方針が比較的自由に設定されますが、これにより、子どもたちの成長をどのようにサポートするのか、自分はどのような目的で仕事をするのかが決まります。

このような保育士になりたい、このような働き方がしたいという理想がある方は、保育方針にも着目しましょう。

待遇の違い

保育士の給与に関しては、国や自治体の縛りがある認可保育園よりも、保育料を独自に設定できる認可外保育園の方が高い傾向にあります。ただし、認可外保育園は保育士の配置基準を満たしていない場合もあるため、保育士の働き方で問題となっている、長時間労働に直面する可能性があります。

その点、配置基準が守られ人員不足が起こりにくい認可保育園は、労働時間に関するリスクが低いと言えるでしょう。

自分に合った働き方ができる保育園を探そう

認可保育園と認可外保育園は、保護者目線だけでなく、保育士の働き方にも違いがあります。

保育園を選ぶときは、カテゴリーで安易に選ぶのではなく、子どもの安全を守れる園か、自分に合った働き方ができる園かをしっかり確認するようにしましょう。